晴天と気温差が良質な果実を育成します
年間通じて降水量が少なく、全国でも有数の晴天率を誇る、中央高原型内陸盆地性気候です。昼夜の気温差が月平均10℃を超えることも大きな特徴。その気温差は農産物の糖度・酸度を高めます。こうした気候を生かし、りんごや巨峰などの果樹栽培が盛んです。
近年ではワイン用ぶどうも増えつつあり、町もさかきワイナリー形成事業を経て、ワイン文化醸成事業を推進しています。成育期の少雨がワイン用ぶどうの病気被害を軽減し、晴天と気温差が良質な果実を育成します。
鍬をおろせば小石が出てくるほどの非常に水はけが良いワイン用ぶどうに適した土壌
長野県内のワイン用ぶどうの産地の多くは、火山灰に由来する粘土質の黒ボク土ですが、坂城町の農地の大半は砂質・礫質の土壌です。
鍬をおろせば小石が出てくるほどの土は非常に水はけが良く、ワイン用ぶどうの栽培に適しています。坂城町の特産である信州の伝統野菜「ねずみ大根」や、町の花である「バラ」も、この土壌だからこその産品です。こうした土壌や気候はフランス・ボルドーに類似しているといわれています。
Tamaヴィンヤード
標高:430m
品種:カベルネ・ソーヴィニヨン
Kuroヴィンヤード
標高:440m
品種:カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー
Shiroヴィンヤード
標高:450m
品種:シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング、ピノ・ブラン、シルヴァーナ
Toraヴィンヤード
標高:480m
品種:メルロー
Rokuヴィンヤード
標高:480m
品種:カベルネ・ソーヴィニヨン
Mikeヴィンヤード
標高:730m
品種:カベルネ・フラン
ヴィンヤード責任者から
土地と人に向き合い
本当に〝おいしい〟ものを
坂城町に暮らしながら畑を耕し、人と人を結び、良質なぶどうを育てること。それが自分の担う役割です。周辺農家のみなさんに見守っていただくなか、畑は4年で2haにまでなりました。
そこで育み、委託醸造で造ったカベルネ・ソーヴィニヨンはフレッシュで、複雑味もまだない。でも、経験値が及ばない今、早くいい商品をという焦りや、たくさん売りたいという思いはありません。一方、このぶどうは坂城の土地に合っていて、徐々に、必ず良くなる可能性を秘めていると感じます。まずは真摯に、自分たちが飲んでおいしいものを目指すだけ。これから、はじまったばかりです。
【 栽培・醸造 】
北村智洋
1976年長野市生まれ。システムエンジニアを経て農業の道へ。成澤篤人と出会いぶどう栽培を志す。2012年に坂城町に移住、「さかきワイナリー形成事業」参画。 キタムラ・ヴィンヤード代表。